2021/04/08

地域のステークホルダーと共に歩み、地域医療と地域経済に貢献する ~鳥取大学医学部付属病院における「医工連携」人財育成プログラムの取り組み その2~

産学連携プログラムにおける人財育成プロジェクト

先に述べたように、鳥取大学医学部付属病院における「医工連携」人財育成プログラムに参画し、今年で足掛け5年になります。私の参画以前から、臨床と「医療機器開発」分野での研究と共に、教育や人財育成にとても熱心な鳥取大学の先生方は、独自の発想と理念をもち、多様で個性的な人財育成プログラムを推進されていました。その対象は、メーカーや支援機関に留まらず、近隣の小学生から米子高専などの学生達への教育プログラム、そして、本家本元である大学生や大学院生の教育に独創的なプログラムを展開されていました。その理念の一つが、「発明楽(技術),出口戦略(知識),やる気の心理学(心構え)」です。

よくイノベーションは「組合せ」から生まれるといわれますが、鳥取大学医学部附属病院・新規医療研究推進センター 教授の植木賢先生が考案された「発明楽」は、「足し算、引き算、かけ算、割り算によって、既存のものから新しい「便利」や新しい「欲しい」が生まれる」というもので、既に多くの成果も生まれていました。また、それらを小中高生たちと学ぶステキな絵本や書籍も出版され、まさに小学生たちと「楽しく学ぶ」出前授業や米子高専の学生達を招いた授業も実施されていました。

 

<米子高専の生徒たちに内視鏡のしくみや人間の身体(エプロンに内蔵が描いてあり、小腸の長さを示しておられます)を教える先生方>

そして、もう一つの鳥大プログラムの特徴は、「地域創生」であり「地域貢献」です。これは、後々、さらに深みを増し様々な気づきをもたらすのですが、「山陰の商都」とも、そして昨今は「医療充実都市」ともいわれる米子の土地柄を映し出した、様々なステークホルダー(メーカー、医療機関、金融機関、行政など)の協力を得ながら、地元ベンチャー企業を育成しつつ地域の医療に貢献してきたという土壌がありました。

 

まさに、私がご相談を受けた時に、このプロジェクトをご支援したいと思った大きな理由が、もちろん大阪大学をはじめとする他大学での産学連携プロジェクトの経験が活かせるということもありましたが、ひとつは、人財育成に熱心で様々なステークホルダーや子供たちと共に育つことを喜びとされている先生方の情熱とその現場を見せて頂いたこと、もうひとつは、地域医療や地域経済の活性化に貢献したいというこの大学の立ち位置でした。

まず、最初のご相談は、「未来医療研究人材養成拠点形成事業」推進の一環としての、大学院生向けの教育プログラムの開発でした。「革新的未来医療創造コース」と名付けられた大学院教育プログラムを開発し、それをパッケージ化して、全国の他大学でも使ってもらえるようなプログラムにしようという壮大なプランでもありました。

 

To be Continued …

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