2021/07/08

人財育成プログラムの要諦「どんな人財を育てたいのですか?」 ~鳥取大学医学部付属病院における「医工連携」人財育成プログラムの取り組み その3~

産学連携プログラムにおける人財育成プロジェクト

先に、鳥取大学医学部の先生方が、文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」の採択(2013年)に基づき、医学系研究科医学専攻博士課程に「革新的未来医療創造コース」を設置されたことはご紹介しました。その目的は、「既成概念にとらわれない新たな医療機器開発のできる人財育成」でした。

そして、そこで提供する、大学院生向けの教育プログラムの開発のご相談を受けたのが、プロジェクト参画のきっかけです。「教育プログラムの開発」は、私にとっては最も経験を積んできた一丁目一番地の領域であり、最もやりがいを感じる仕事ではありますが、まずは確認しないといけないことがあります。提供される側がどんな狙いや目的、さらには、どんな情熱を持っていらっしゃるか、そこが気になるところです。そこで、最初に聞くことはひとつ。「先生方は、どんな人財を育てたいのですか?」

これは、企業でも同じなのですが、ここで、経営者でも饒舌に語り始める方と、抽象的な言葉が宙を舞い始める方、うっと言葉に詰まってしまう方と、様々です。

この話題だけで、一回の打合せが終わらないことも頻繁にあります。それくらい大事な議論なのです。企業の場合は、経営者へのインタビューのみならず、経営幹部、管理職の皆さんとワークショップを重ねて、この組織が「育てたい人財像」や「期待する人財像」を言語化していく作業をすることもあります。

本プロジェクトではどうだったのでしょうか? 私が前述の「先生方は、どんな人財を育てたいのですか?」と問いを投げかけた時、集まってくださった先生方は、多くの「育成したい人財像」についてのボキャブラリーをお持ちで、たくさんの思いや期待値、キーワードを語ってくださいました。この時の目の輝き、前のめりで楽しそうに議論されるかどうか、それを観察していると、私の動物的勘で、この組織の人財育成に対する感度やその後の取り組み姿勢などが手に取るようにわかってきます。

<鳥取大学医学部の通路にかけられている様々な理念や基本方針。こういう中からも、組織が目指す人財像を読み取ることができます。>

 

それらに確信がもてたこともあり、先生方にゴールイメージと進め方を提案、それも途中で見直しながら、ややアジャイル的に進めることにしました。

いわば、「人財育成プログラム開発の要諦」に従い、いきなり「何を教育するのか?」ではなく、「どんな人財を育成したいのか」を、議論を通してしっかりと見定め、そこから、では「どんなスキルやコンピテンシーが必要か」に落とし込み、最後に「どんなプログラムが必要か」という形にしていくことにしたわけです。

これは、企業内教育の、例えば「管理職研修」や「幹部候補研修」でも同様で、いきなり何を研修するのかでなく、「何を目指して」すなわち「どんな人財を育てたくて」研修をするのかの意識合わせが非常に重要であり、それはおのずと組織によって異なり、一律ではないはずなのです。そうすれば、おのずとその組織の課題や組織文化の特徴などが反映され、より「ありたい組織」や「育てたい人財」に近づくプログラム開発が可能となります。

併せて、本プロジェクトでは、さらに「鳥大らしさ」「鳥大にしかできない人財育成」という付加価値をつけるために、ひと手間をかけることにしました。その手法については、次回以降でご紹介します。

To be Continued …

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