2025/11/15

追手門学院大学主催 次世代経営人材育成セミナー「第4回大阪城イノベーションヒルズ・アカデミーOIA2025」『リーダーシップ論』

産学連携プログラムにおける人財育成プロジェクト

本セミナーは、2024年はお休みをして2年ぶりのリニューアル開催、私は2023年に続き、2回目の登壇となりました。会場も、大阪船場から2025年4月に第Ⅱ期棟が竣工したばかりの追手門学院大学「総持寺キャンパス」にある「アカデミックベース」の教室に移しての開催です。この新しく創造性を刺激されるキャンパスでの学びは、どのような価値を生み出すことができたのでしょうか? それは、私にとっても、緊張感のある新たな挑戦でした。

<追手門学院の新しい「総持寺キャンパス」2~4枚目は「アカデミックベース」の通路やフリースペースに配置された椅子やテーブル等。休日に空席を狙って撮っていますが、普段は学生たちで満席状態。>

本コースにおいて定義された新たなコンセプトは、「日本発、関西発の価値創造と経済発展を目指し、次世代の経営者に必要とされる知見を3つの価値として提供する」その3つの価値とは、①次世代経営人材に不可欠なビジネス理論と教養 ②ベストプラクティスの共有や新たな価値創造の機会 ③業界を越えて高め合える次世代経営人材ネットワーク です。このセミナーの特徴は、追手門学院大学の先生による「理論」講義2時間をたっぷり聞いた後、企業経営者(実務家講師)による「実践」講義と「グループワーク」(合わせて4時間)すなわち、アカデミア+ビジネス界+次世代経営者が自ら手を動かし考えるワークで、理論を実践しかつ応用する(または持論を発展させ、形式知化する)という構成になっていることです。今年度は、10回シリーズの本コースに、関西を中心とする大中小の企業から選抜された現役の経営者を含む「次世代経営人材」15名が参加されました。

そんなコンセプトや構成を踏まえて、事前に事務局や先生方と入念な打合せを何度か実施し準備をして、当日を迎えました。
当日は、午前中が追手門学院大学の本コースの責任者であり、経営学部教授・副学長の「宮宇地俊岳」先生からの導入に引き続き、同じく経営学部教授の「神吉直人」先生から、「理論編」をレクチャ頂きました。宮宇地先生からは、リーダーシップ論の変遷や、①特性論 ②行動論 ③条件適合論の違いを導入いただき、神吉先生からは「しろうと理論」(神吉先生の言葉では「持論」)を持つ意味や、その形成過程、そして「しろうと理論」の持つ危険性を語っていただき、見事に私の実践編につないでいただきました。お二人のアカデミアの立場からの講義はわかりやすく「アカデミアの理論編は難しいし、現場で役に立つのか?」というまさにバイアスを持っていた、私には「がつん」と来る内容でした。神吉先生からは「持論のほうが正しいと思って聞いてください」という心優しいメッセージもいただき、一気に緊張が解けたのも打ち明けておきます。

午後からは、私の「実践編」の担当。できる限り実践に役立ち、具体的な行動に結びつくようにと思って準備をしてきた内容を、事例を交えて講義をしました。「アンコンシャス・バイアス」から入り、グループワークや個人ワークも入れましたが、皆さん真剣に取り組んでいただき、気づきも得て頂いたようです。伝えたかった「リーダーシップ」は一様ではない、ただしブレークダウンすると行動に落とし込むことができる、自分の「リーダーシップスタイル」を知ること、組織の目的や状況・構成メンバの特徴により同じリーダーでも取るべきリーダーシップスタイルが異なること、相手(構成メンバ)を知る切り口、そして、リーダーシップの引き出しを増やすこと、などをお伝えすることができたでしょうか。

受講者の方からでた質問も、さすがに日ごろから組織運営に取り組んでおられる方々、難易度の高い質問も出て、また整理し言語化する機会を頂きました。終了後は、事務局からすぐにアンケート結果が送られてきましたが、印象的だったのは、経営者の方から「これまでの自身のリーダーシップの遷移の振り返りにもなり、反省と救済と非常に考えさせられる内容となり、特に、確証バイアスとアンコシャスバイアスは、最近とてもタイムリーにその事を考えていた内容でもあったのと、組織運営について、今の会社に入社した時から常に悩ましい問題と直面しているため、短い時間ながらもワークを通じて他の方の考えも知る事ができたのは大変有意義でした。」というメッセージを頂いたことです。どこに「救済」があったのかはぜひ知りたいと思いましたし、「確証バイアス」や「アンコンシャス・バイアス」は、先に述べたように私も気を付けないとすぐに陥ってしまう罠であることを、再認識しました。「人と組織」の問題は、時代を経て大きく変わってきた部分もあり、かつ、以前から変わらない正解のない課題でもあり、それだけに取り組む価値があり悩みもありますが喜びも大きいと、受講者の方々の反応をみて、改めて感じた時間でした。と共に、私も、アカデミアで少し学んでみるかなと思わせてくださった先生方にも感謝です。

<事務局の方が撮ってくださった写真です>

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