2015/04/03

校友会に学ぶ。vol.3「余人をもって代えがたい」S前会長のリーダー像

立命館・立命館大学校友会

前会長Sさんは、東京校友会会長を15年の長きに渡り務められました。現役リタイア後は、音楽大学に入学、今も10代の方々と席を同じくして音楽に勤しまれ、かつ、今もチェロ演奏の技に磨きをかける「道」にいらっしゃいます。

ご存知の方はよくご存知のように、多くの方が名前のKちゃんで呼ぶという(大変失礼ながら)とても一部上場企業のCEOを長年務めた方には見えないフレンドリーな側面をお持ちです。

私が初めてSさんとお会いしたのは、忘れもしない「旧立命館大学東京オフィス」での幹事会での一コマ。まだ、校友会の案内や会報を郵送していた時代で、ひたすらみんなと一緒にA4用紙を折り曲げて封筒づめをしていた人。それが、Sさんでした。当時はバリバリ現役のCEOでしたから、もちろん会社では絶対見せないSさんの顔。校友会では当たり前の風景ですが、私は、正直、驚いたものです。その日は、オフィスの小さなキッチンで、並んで湯飲み茶わんを洗うという機会にも恵まれました。(ただ唯一違ったのは、外に出ると大きなお迎えの黒塗りの車が待っていました。笑。)

校友会では「会社名で偉そうにしない。役職で偉そうにしない。」ということを何度もおっしゃっていましたが、それを率先垂範されているのがS会長でした。

後になって、私がお会いする以前に、S会長が大きな方向転換をされ、校友会の壁を低くし、若手を招き入れ、すそ野を広げられることに尽力されたという様々なエピソードをお聞きすることになりました。当然、その間いろいろな軋轢や摩擦もあったのは想像に難くありません。マイクロマネージをせず、わが道を行きながらも、持って生まれた「人懐こさ」や関西人特有(?)の「サービス精神」、何よりも、誰もが「いっしょにいて楽しい」を実感できる、校友会のような組織にはうってつけの「太陽」のようなキャラクターのリーダーだと思いました。

一方で、私がお仕えしたS幹事長(故人)は、現役の大手電機メーカー系列会社の経営企画室長。とにかく事務処理能力が高く、決断が早く、実行力の人でした。一早く私を副幹事長にし、いろいろな場に連れて行ってくださり、いろいろな人とつないでくださいました。時に「こわもて」が顔を出すこともありましたが、S会長を盛り立て、人を呼び、一人ひとりに細かいケアをされ、愛情を注ぎながら、ぐいぐい引っ張っていくタイプの包容力の人だったと思います。それは、次のY幹事長にも受け継がれ、「人を招き入れる体制」ができていき、古くからの人と新しく来た人がうまく融合していく基盤が徐々に作られていました。

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そこに、前述のような、人の動きや環境変化があり、よりドラスティックさと多様性を求められるようになったのが、ここ数年の東京校友会だと、私は理解しています。そして、私が幹事長時代に考えたことは、前篇にご紹介した通りです。

 

さて、S会長の退任と後継要請のご意向をお聞きした時に、真っ先に思ったのは「余人をもって代えがたい」Sさんのリーダーとしての存在です。ビジョンが明確で、人を惹き付けるキャラクター。事務カタをやる幹事長職としては「非常に有り難い=代えがたい」存在であるということがわかっていただけに、ほぼ半年、心底からの慰留をし続けました。

しかしながら、SさんにはSさんのリーダー像があり、最後の方は非常に硬いご意向となりました。極めてロジカルに「リーダーの引き際」をおっしゃっていましたが、私自身、自分のことにならなければ、反論の余地のないお話を、その後何度もお聞きすることになりました。

 

ここにこうして書き記しながら、改めて、S会長とS幹事長の身近にいて、お二人の違うリーダー像を見せて頂き、学ばせて頂いた13年間だということを感じます。

さて、それでは、自分はどんな存在になるのか?

この「難題」は、あまり正面から考えても明確な答えがある訳ではないように思っています。それよりも、東京校友会が、どんな「会」になり、どんな「組織」、どんな「場」になればよいのか?そのためには、どういう運営チームや、各々のリーダーや、役割分担が必要なのか?そのためには、周囲とどんなコミュニケーションをとればいいのか?そんな風に考えれば、結果的に、必然として決まってくるような気がしています。

「『組織運営』オリエンテッドで考えて、必要な役割をできる限りしよう」というのが、今の私の責任と思いです。

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「あまり肩に力を入れるなよ~」「いまのままの自然体でいいんじゃない。」ありがたいことに、そんな声も聞こえてきます。

何よりも、私が一番の宝とする、人の温かさ。 新潟から、鹿児島から、茨木、栃木、京都から、もちろん東京の中から・・・。実は、いちばん皆に伝えたいこと、組織論とは離れるかもしれませんが、この温かさが「人へのロイヤリティ」と「モチベーション」に繋がっていること。それを、この「場」にきてくれる人にどんどんシェアして、渡していけたらと思っています。その先に「母校への貢献」(今回はあまり書けませんでしたが、機会があれば、述べたいと思います。)を考えてもらえたらと思っています。

そして、いつ、どういう形で、次に継承するか・・・それが、私の考えるべきテーマでもあると思っています。

 

中央の写真は、S会長とS幹事長とのスリーショットです。APU(立命館アジア太平洋大学)へ後輩の就職支援に行った時のものです。(記事も、ご本人の許可を得て。)

 

 

 

 

 

 

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