結局、新潟の校友大会へは(ノルマでなくなったこともあり)、50名強の参加になったのですが、それでもこの人数を動員するのは、東京では至難の業です。地元新潟県校友会や私たちよりも時間距離の遠い長野県校友会が多くの校友を動員されたのには、本当に頭が下がりました。
とはいえ、東京も何もせず手をこまねいているだけでは前に進みません。非常に単純な「戦略」ではありますが、東京では普段やらない「組織的動員」をせねばなるまい・・・そう決意しました。となれば、東京が唯一まとまった人数を動員する手段は、各コミュニティ(リツラン、リツトレ、芝楽会などのいわばサークル活動です)。彼らに、校友会翌日に行事を作ってもらう事を考えました。
幸い3連休の「なかび」である校友会の翌日は「新潟マラソン大会」。マラソン好きのリツランメンバーを焚き付けて「マラソン大会」に全員エントリしてもらったほか、同日にゴルフコンペを提案(これは最終的に新潟のKさんのご尽力に帰するところになりました)、登山好きのリツトレメンバには山登りを企画してもらいました。そして最後は、それ以外のメンバでの観光を企画。この観光のツアコンはなんと群馬県のMさん(新潟県出身)がガイドを買ってでて下さるという幸運に恵まれました。
実行委員会としての準備期間は足掛け2年がかりでしたので、そのプランを実現するには各コミュニティのリーダーのモチベーションをいかに維持してもらうかが「実行力・推進力」の鍵となりました。また、日々人数をカウントしながら気を揉んで下さったN副幹事長(「プロジェクトN」(=新潟とNさんから名づけました)のリーダー)のモチベーションもしかりです。そして、今思えば、県を超えて本当に多くの人たちに助けられ、私自身もセルフモチベートすることができました。結果として、新潟大会と各行事に参加してくれた50名が、前のめりに楽しんでくれたのは、なによりでした。
そんなこんなで、新潟からスタートした幹事長時代。その3年半は、東京校友会のゆるやかな変革の時期でもあり、どうやってすそ野を広げていくか、若い人を迎え入れていくかという、喫緊の課題に取り組む時期でもありました。
たしか、同じ時期、全国代表者会議(各47都道府県+αの校友会の代表者が一堂に会する会議です)のパネルディスカッションでご指名を受け「未来志向の校友会運営」のようなテーマで、発表をした覚えがあります。
職域がないことに加え、人の流動性が高いこと、現役世代が運営の中心になっていること、京都からの距離感、通勤事情や残業などの勤務・生活環境など、東京ならではの特徴を分析しながらも、どんな活動のプラットフォームを作るか、どんなコミュニケーションがよいのか、ボランタリーな校友会活動に責任感と主体性をもってもらうにはどうすればいいのか・・・そのサステナブルな「戦略」を考えることと「実行力・推進力」のある弾力的な組織基盤にすること。まさに、東京校友会は、「組織運営」と「リーダーシップ」を考え、学び、実践する場となりました。
私自身は、こういう場で前面に出て人を引っ張るタイプではないので(というと反論があるかもしれませんが。笑。)「人にどう動いてもらうか」「彼らのモチベーションをどうあげていくか」を、考えていました。
その頃から、全国の校友会のキーパーソンの多くがSNS(facebook)に参加されてきたこともあり、東京校友会の情報インフラもそちらを積極的に使ってもらうようにしました。(最初の頃は、まだほとんど私がいろいろ成り済ましてアップしてました。笑。)facebookが「活性化」に役立ったのもとても幸運なことでした。
恐らく、企業や営利団体と違って、ボランティア組織である校友会の人のモチベーションは様々、興味も志向も価値観もバラバラ。一言でいうならば「『多様性』をどう実現していくか?」に尽きると、私自身は思っています。
「多様性」を実現し、そして拡大していくために強固な基盤をどうやって作っていくか・・・それには、場面場面で、多様なリーダーが存在し、それらをやんわりとネットワークでつなぎ、それぞれが主体的にオーナシップを持てる活動の「場」をつくっていくこと、そんな風に考えてきました。もちろん、そのためには、彼らや私たち自身が「楽しい」と心底思えなければ、所詮長続きしません。その戦略の一つが、東京校友会で自生し、増殖しているコミュニティ(サークル)でもあります。(これ以上具体的には、東京校友会のfacebookページをご参照ください。)校友会の中心とは言いませんが、校友大会、幹事会に続く3つ目のプラットフォームとしてここに一定のリソースをシフトしていくというゆるやかな変化を作っていくのが良いように思いました。
「多様性の実現」「小さなコミュニティによる自発的自律的な活動」「人がセルフモチベートしオーナーシップをもって動いている組織」という意味では、校友会に限らず、いろいろな組織の運営に、特に、ボランタリーな組織やコミュニティ運営に役立つことはあるだろうと思っています。
さて、そうこうしているうちに、私たちのボスである東京校友会会長からの後継要請があったわけです。
・・・to be continued.