2016/10/01

日経ビジネススクール×早稲田大学ビジネススクール主催「MBA Essentials 2016<アドバンスコース>『ダイバーシティマネジメント』」のコーディネーター兼ファシリテーターを務めました! 第二話

ダイバーシティ教育

日経新聞ビジネススクールと早稲田大学ビジネススクールによる、「MBA Essentials 2016<アドバンス> コース 『ダイバーシティマネジメント』」。

最初に企画が持ち込まれたのが5月でしたから、約4か月をかけて準備したことになります。とはいえ、役者は早々に決まり、大枠のアジェンダも最初の3週間くらいで決まっていました。

川本先生、猪熊さんのレクチャ部分は、およその役割分担と骨子をお願いすれば、あとは微調整のみ。私の担当部分のワークショップは、1日目の振り返りワークショップを決めていたほかは、いくつかのシナリオを用意していたものの、受講者のプロファイルや、1日目、2日目のレクチャの反応や場の空気をみて、詳細を決めることにしていました。

まず、初日は、川本裕子先生によるレクチャ、「「ダイバーシティ・マネジメント」~世界の最新モードを知る」。
川本先生と言えば、東大、オックスフォード大学大学院、東京銀行にマッキンゼー東京、同社パリ勤務という、筋金入りのエリート中のエリート。しかも、ワーキングマザーとしても絵に描いたような成功者であり、それだけでも受講者の皆さんからすると「雲の上」の人。

その上、数多くの社外取締役や、政府関係の委員(金融審議会委員、金融庁顧問(金融問題タスクフォース)、道路公団民営化推進委員会委員、総務省参与(年金記録問題検証委員会)、経済財政諮問会議専門委員、国家公安委員)を務めるなどというと、もう、バンザイしたくなるくらい「かちんかちん」の硬くて、近寄りがたい人・・・。テレビや様々なメディアを通した発言も「泣く子も黙る」(先生、失礼。)というイメージが拭えない。かくいう、私も、打合せではどういう話をされるのだろうか?先生のレクチャに釣り合うワークショップができるだろうか?そもそも、学者の先生だからどんな難解なお話をされるんだろう・・・と、直前に資料は拝見したものの、それでも当日まで、受講者と先生の距離感や理解度については、未知数のままでした。

そして、迎えた初日。いざ、ふたを開けてみると、先生のレクチャは、難解なのではなく「視点が高い」のだということ、むしろ高い視座や歴史的マクロ的視点からの、非常に本質的なお話を、びっくりするほど(これまた失礼な発言だが)わかりやすく紐解いてくださいました。ともすると、ビジネス系のセミナーは、ミクロ視点に偏りがちだったり、すぐに「事例や実績は?」と求めたりする「ものの見方」そのものに、先生の言葉は「ダイバーシティ」を通して警鐘を鳴らしているようにも思えました。先生いわく「コンセプチュアルに理解しないと、ダイバーシティは理解も実践もできない。」それほど「ダイバーシティ」は、正解が一つではなく多様な答えがあるがゆえに、本質的理解が必要なのだと、そのことが今更ながら、腹に落ちていきました。

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(川本先生のレクチャは、高い視座からのマクロ視点による、かつ、とてもわかりやすい講義でした。)

加えて、「グローバルなスタンダードとは何か?」は、例えば、ご自身のキャリアの経験から。「典型的な日本企業の何が問題か?そのなかで、何を踏まえて私たちはダイバーシティをとらえ、粘土層とコミュニケーションを図っていけばよいのか?」は、例えば、ご自身の取締役や政府委員の経験から。「データをどう読み解くか?」は、様々な学説から。まさに「理論から実践」まで、一貫して、本質と現象、抽象と具体を行き来して、私たちに、高い視座からの知見と知的刺激を与えてくださいました。先生が何よりも「典型的日本企業の粘土層のおじさんたち」や「モノカルチャで育ち既得権益を持ったおじさんたち」と日々対峙され、社会を変えるべく様々に突破されてきた、ここだけの話、リアルで切り口鋭いお話も多々あり、私自身、自分のワークショップに入るより先生の講義をずっと聴いていたい、久々にそんな気持ちになる、痛快で刺激的な講演でした。

そんな、川本先生のマクロな講義に引き続き、2日目は、一転して、「虎ノ門ヒルズカフェ」での猪熊真理子さんのインスピレーショントーク: 「女性が活躍する組織とイノベーションを生み出すダイバーシティマネジメント」

リクルートで「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」の事業を担当されていたという猪熊さん。「管理職になるなんてとんでもない」というモチベーションから、どのような環境や経緯で彼女がリーダーとなったのか?どんなモチベーションで「女性を支援する」側に回る事業を起こされたか? 独特の世界観をもつ彼女の目指すWAYとは? そして彼女が描く「イノベーションを生み出すダイバーシティマネジメント」とは? 柔らかでありながら流暢で流れるような美しい語り口で語られ、人にパワーを与える彼女の実体験。心理学を学んだという彼女の、独自の経験に基づく様々なエピソードに、エネルギーをもらった受講者も多かったようです。

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(猪熊さんのインスピレーショントークは、「虎ノ門ヒルズカフェ」にて。早朝からでしたが、会場は満員で、皆さん熱心に聞き入って下さっていました。)

特に、質疑応答のなかで、「「ダイバーシティの目的、なぜダイバーシティを実践するのか?」は組織ごとに違う。それを経営層が議論することからスタート」するといわれた猪熊さんのエピソードは、コンサルタントとしてのリアリティがあり、同様な場面で苦労することの多い私にとっても全面的に共感するところでした。「ダイバーシティ」を語るとき、簡単に「トップがコミットすることが重要」と言いがちですが、それを達成することの苦労と実践知には説得力がありました。

前半の2日間での皆さんの反応は、大きく3つの傾向があったと思います。

一つは、期待以上に「楽しい」という声。「『楽しくやりましょう』と言ってもらったことで、がぜん楽しくなった。目からうろこが落ちた」という感想が多かったこと。これは、「あの」川本先生が最初に「楽しくなければ意味がない」「笑顔でやっていれば誰かが助けてくれる」と言ってくださったことと、猪熊さんも私もそれを肝に銘じて、ことあるごとにそう伝えたことで、皆さんのマインドがポジティブにセットされたのだと思います。

二つ目は、「本質を理解することの大切さ」に気づいてくださったこと、「ダイバーシティ」をマクロで理解すること、歴史的背景を踏まえて理解したり、グローバルな視点から理解することの大切さに気づいてくださったことでした。これは、私にとっても、改めての学びと取り組む側としての「そこを決しておろそかにしない」ことへの戒めになりました。

三つ目は、それでも「どうしたらうまくいくか?」「どうしたら、経営者を説得できるか?」「どうしたら粘土層の中間管理職に理解してもらえるか?」・・・等の、ヒントが得たい、事例を聴きたい、という「HOW」に対するニ―ズでした。それだけ、皆さんが実践の現場で悩んでおられ、様々な課題に直面されていることの証でもあることがよくわかりました。

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(4日間通して、皆さんからの質問も活発で、積極的に参加をしてくださいました。)

より皆さんの真の声が知りたくて、1日目の終了後に急遽取らせてもらったアンケートと皆さんからのヒアリングをもとに、「そもそも多様な受講者のニーズにどう応え、このセミナーの効果と満足度をいかに最大化するか・・。」後半に向けて、ワークショップのシナリオをさらに練り上げるべく、宿題として持ち帰らせて頂きました。

・・・To be continued

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