2014/11/10

「みらいプロジェクト」、発進しました。

製造業A社「経営幹部候補の育成プロジェクト」

プロジェクト欄で最初に取り上げた、製造業A社の「経営幹部候補育成プロジェクト」。6か月のプロジェクトを予定通り終了し、先週末、経営会議に全グループが提言をすることができました。

このプロジェクトは、先述したように、今後この会社を背負って立つ次のリーダーの皆さんが、この会社の未来を考えるという壮大なテーマに取り組みました。皆さんがつけた通称も「みらいプロジェクト」「各グループが、経営方針からひとつのテーマを選び、その実現を図るための施策を策定し、経営会議(取締役会)に提言する。」それが当初からの到達目標でした。

あるグループは「長期安定成長」、あるグループは「自主自立」。その答えはどこにあるのか・・・? そのために、問題点や課題を調査・分析し、また、あるべき姿を描き、そして実現すべき課題を検討してきました。問題や課題は皆さんの周りにあり、また、答えも皆さん(または、皆さんの職場や、お客様との関係、マーケット)の中にあるはずです。あくまで、私たちは、コーディネーターであり、ファシリテーター。皆さんが、「自分ごと」としての答えを出すのを、お手伝いする立場です。

とはいえ、プロジェクト開始前に全員に行ったインタビューでは、「会社全体のことを考えたことなどほとんどない」「他部署に関心を持ったことはない」「他部署の人がどんなことを考えているのかわからない、聴いたこともない」「危機感はあるものの何をどうしていいかわからない」という、ないない尽くし。身体ががちがちに固まった状態からのスタートですから、まあ、最初は、ぎこちない会話から始まり、当初は、議論にならない議論が繰り返されていました。

皆さんのがちがちに固まったからだを解きほぐすウォーミングアップや、ちょっとしたコミュニケーションの促進に、こちらも手を変え品を変え・・・、正直、解きほぐすのには時間がかかりました。

P1030615それでも、「職場に帰って問題点をヒアリングしてみよう」「若い人たちにあるべき未来の姿を聴いてみよう」「本当にこれで経営方針が実現できるのか?」という声が出始めた頃から、皆さんのコミットメントが増し、自然と体が動くようになり、議論が積み重ねられるようになりました。

「問題の真の根本原因をちゃんと突き詰めましたか?」「あるべき姿のコンセンサスはちゃんととれていますか?」「それで本当に、自主自立が実現しますか?そのフィジビリティはどうやってとれますか?」「施策の成功はどんなメジャーで評価しますか?」皆さんのペースに合わせながらも、毎回少しずつストレッチをしていただくためのボールを投げてみました。

それを受け取るたびに、皆さんの負荷は増え、(恐らく)プレッシャーもあったことと思いますが、回を追うごとに真剣に取り組む姿勢とリーダーとしての視点の変化、お互いがうまく役割分担をしていくことで、プロジェクトの進め方も大きく進化しました。P1020917

6か月が終わった今、振り返りをしてみると、全体もさることながら皆さん一人ひとりに多くの変化がみられ、現在、それらを私たちの方で報告書としてまとめ中です。そのなかでも、一番の変化は、当初はファシリテーターが「毎回の目標や、向かうべき方向」を示していたのに対し、ちょうど半分を過ぎた頃から、「自分達で目標を決め、向かうべき方向を定めて進み始めた」ことではないかと思います。

さて、(竹内も出席させて頂いた)経営会議では、当然ながら、厳しくかつ鋭い質問が投げられ、深く本質的な意見や質疑が交わされました。これだけ考え抜き、準備を重ねた提言やプレゼンも、役員の方からみると、まだまだ疑問や検討の未熟さは指摘にあがりました。皆さんにとっても、このような場での提言もさることながら、経営側の質問の意図や懸念を瞬時に理解し、簡潔に相手を納得させる球を返す。。。変化球に対応する「瞬発力」には、まだまだ課題があります。ただ、検討を重ねて考え抜いてきた自信と思いは、熱意をもって伝わったと確信しました。

さて、その日の夜、社長からの一報が届きました。宿題付き、条件付きではあるものの、概ね皆さんの提言が通るようです! 「みらいプロジェクト」は、まだまだ発進したばかりなのです。

 

 

 

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